枡野俊明『禅、シンプル生活のすすめ』は折に触れて読み返す良書です。
この本には100個のトピックが収められています。それぞれのトピックでは、禅の考えに基づいて、日常における習慣を「ちょっと」変えることを提案しています。奇をてらったような提案はなく、なるほどお坊さんの考える発想とはこういうものかとうなずきながら、スイスイと本を読み進めることができます。
『禅、シンプル生活のすすめ』には食事について3つのトピックが書かれています。
・10番 食事をおろそかにしない
・11番 食事では、一口ごとに箸を置く
・12番 野菜断食のすすめ
このエントリではとくに「12番 野菜断食のすすめ」についてご紹介します。
ボク自身は昨年5月よりダイエットを始めました。ダイエットの取り組みは、大きく言って 1)有酸素運動を定期的に行うこと 2) 摂取カロリーを押さえた食生活を継続するること の2つが柱です。この2つにより生活習慣を改善することで、減量を目指しました。さらにこれらに加えて、食事について考え方を変えることもまた生活習慣の改善に寄与しました。その考え方は、枡野さんのこの本『禅、シンプル生活のすすめ』に大きく影響を受けています。そこでご紹介したいと思い、下に本文を引用します。
12 野菜断食のすすめ 高僧の居ずまいが美しい理由
徳の高いお坊さんなどは、見た目にも美しいものです。
それは、顔のつくりがきれいだとか、スタイルがいいとかいうことではなく、体も肌も透き通ったように清々しい美しさ。居ずまいが、立たずまいが、美しい。毎日早起きをし、丁寧に修行をくり返すことで、次第に体も磨かれていくのです。
心と体はダイレクトにつながっています。心が研ぎ澄まされれば、その清々しさは自ずと体にも表れてくるのです。
普段食べるものも、体だけに作用するわけではありません。心にも大きく影響しています。食べ物が「体」と「心」を作っているのです。
野菜中心の食生活をすれば、心が穏やかになり、少しのことではいらいらしなくなる。そして、肌に透明感が出てくる。逆に、肉ばかり食べていると闘争心が湧いてくる。肌も知らず知らずのうちに黒ずんできます。
とはいえ、まったく肉や魚を食べないというのも無理があるでしょう。
一週間に一日くらい、野菜だけで過ごしてみることをおすすめします。
ここで筆者枡野さんは、週に一度はお肉・お魚を断ってみてはどうですか、と提案しています。そうすることは体と心にとてもよい影響を与えますよと言っています。
ボク自身は、いま野菜・豆類・フルーツ・玄米・オールブラン中心の食生活にしています。お肉については、鶏の胸肉やササミをほぼ毎日摂取しています。これはウエイトトレーニングの目的で、タンパク質を摂取するためです。タンパク質がないと筋肉はつきません。
(基本的に普段は牛肉・豚肉・お魚は食べません。週末のランチで食べるときがあるぐらいですね。)
そして週に1度、野菜断食の日を設けています。野菜断食によって心と体の調子を整える目的です。この日は鶏の胸肉やササミを食べません。週に1度の野菜断食はけっして難しくないです。
筆者枡野さんは「一週間に一日くらい」と言っていますが、これは控えめな提案です。トレーニングをしていないひとだったら、野菜断食を週に3日ぐらいしてもいいと思います。そしてお肉はおいしい格之進あたりをいただく。
これは自分自身の経験ですが、去年の今頃、ダイエット目的で食生活をハードに制限していました。そのときは三食が野菜とフルーツ、ヨーグルトだけでした。野菜断食を2ヶ月ほど続けたでしょうか。それでも普通に生活していられましたよ。おかげでだいぶ痩せてしまいました。(ダイエットを目的として野菜断食を行うなら、野菜は脂質と糖質の少ないものを選ぶべきでしょうね!)
ちなみに他のトピックではつぎのような提案がなされています。
「10番 食事をおろそかにしない」では、禅の「喫茶喫飯」ということばを紹介し、食事をいただくときは、食事をいただくことのみに集中すべきだ、ということ。
「11番 食事では、一口ごとに箸を置く」では、一口ごとに箸を置くでは、一口食べるごとに感謝の気持ちを持って味わうことが大事であり、修行の時間でもあるということ。
iPhone や Mac、iPad をいじりながらゴハンをいただいてはだめですね。^^;
『禅、シンプル生活のすすめ』は普通の人が取り入れやすい、まねしやすい習慣がたくさんちりばめられた良書です。