身体を論理的に再構築するプロセスにおいて、私が折に触れて読み返す良書があります。それが、枡野俊明氏の著書『禅、シンプル生活のすすめ』です。
本書には100個のトピックが収められており、禅の教えに基づいた「日常の習慣を少しだけ変えるヒント」が優しく語られています。
奇をてらった提案はなく、お坊さんならではの透徹した視点にうなずきながら、静かに読み進めることができる一冊です。
「食」を整える三つのプロトコル
本書の中で、マネジメントの根幹である「食事」については、以下の三つのトピックが示されています。
- 10番:食事をおろそかにしない
- 11番:食事では、一口ごとに箸を置く
- 12番:野菜断食のすすめ
これらは単なる作法の話ではありません。食べるという行為に向き合う「意識のマネジメント」そのものです。
実践:野菜断食のすすめ
本エントリで特にフォーカスしたいのが、「12番 野菜断食のすすめ」です。
2011年5月に私がダイエットを決意した際、その柱としたのは以下の二つの論理的アプローチでした。
- 有酸素運動の定期的実施
- アンダーカロリーを維持する徹底した食事管理
しかし、生活習慣を根底から改善するためには、テクニックだけでなく「食事に対する思考」のパラダイムシフトが必要でした。その際、本書の教えは私の指針となり、現在の「トレキン・マネジメント」における食の哲学に深く影響を与えています。
禅がもたらした論理的帰結
禅の考え方は、私に「何を食べるか」だけでなく「どう向き合うか」を教えてくれました。一口ごとに箸を置くことで咀嚼回数が増え、満腹中枢が刺激される。
野菜を中心とした食事で内臓を休める。これらは現代の栄養学や生理学とも見事に合致する、極めて「論理的な」習慣なのです。
以下に、私の人生の転換点となった本書の言葉を引用します。
12 野菜断食のすすめ 高僧の居ずまいが美しい理由
徳の高いお坊さんなどは、見た目にも美しいものです。
それは、顔のつくりがきれいだとか、スタイルがいいとかいうことではなく、体も肌も透き通ったように清々しい美しさ。居ずまいが、立たずまいが、美しい。毎日早起きをし、丁寧に修行をくり返すことで、次第に体も磨かれていくのです。
心と体はダイレクトにつながっています。心が研ぎ澄まされれば、その清々しさは自ずと体にも表れてくるのです。
普段食べるものも、体だけに作用するわけではありません。心にも大きく影響しています。食べ物が「体」と「心」を作っているのです。
野菜中心の食生活をすれば、心が穏やかになり、少しのことではいらいらしなくなる。そして、肌に透明感が出てくる。逆に、肉ばかり食べていると闘争心が湧いてくる。肌も知らず知らずのうちに黒ずんできます。
とはいえ、まったく肉や魚を食べないというのも無理があるでしょう。
一週間に一日くらい、野菜だけで過ごしてみることをおすすめします。



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